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米海軍の世界で最も危険なご褒美タイム【スイムコール】空母から海へダイブ

スイムコール:海軍の伝統的な習慣で、航海中の艦艇からクルーが飛び込んで泳ぐ、というもの


アメリカ海軍や海兵隊など、艦船で働くものたちにとって最高のイベント「Swim Call」

元々は19世紀の英国海軍で行われたものが発祥で、ハンズ・トゥ・バス(Hands To Bathe)、全クルーでの入浴イベントです。

ハンズ=乗組員全員を指すオールハンズ(All hands)

Swim call
Photo by U.S. Navy

シャワーなどで体を洗うことができなかった時代、海軍では航行している途中、南国やカリブ海の島の沖合など快適な場所に立ち寄り、このような入浴の時間を設けていました。

暑い気候の地域での任務を担う彼らにとって、世界の様々な美しく暖かい海で泳ぐ時間は非常に大切なものでした。
特に長期間に及ぶ任務の際、クルーたちの士気を高める手段として重要視されてきました。

Swim call
Photo by U.S. Navy

昔は乗組員の衛生を保つために行われており、レクリエーションのような意味合いではなく命令でした。

当時は航行中の真水は貴重で、そのほとんどは飲料、食事などに使用されていました。
衛生面はもちろん、狭い空間で生活を共にするクルーたちにとって、体臭は非常に大きな問題だったはずです。

洋上での水浴びは、はるか昔から船乗りたちが行ってきた方法です。

Swim call
Photo by U.S. Navy

しかし現代では造水装置の誕生により、真水の確保が容易となり、本来の目的である入浴としては行われていません。
長い航海生活によるストレス発散としてのレクリエーション、士気向上などが目的となっており、海で泳ぐほかバーベキューをしたり、ダンスをしたり。

クルーたちにとっては世界中の海をプライベートプールに変えることの出来る、最高に贅沢な入浴時間です。

巨大な船を運用している海軍にとって、飛び込み一つとっても厳しい管理が必要となってきます。
スクリューやソナー、流水機能は停止しているか、水温や波の状態など様々な基準が設けられています。
また、艦橋には銃を装備したサメの監視員を配置、小型救助ボートを下ろすなど安全確保の上で行われます。

風で船が泳いでいるクルーから遠ざかってしまわないよう、あらゆる危険性を考慮し、全ての条件が満たされた時、初めて海に飛び込むことができます。

2020年8月21日 カッター・キンボールにてスイムコール中のサメによる事件

これはアメリカ沿岸警備隊のカッター キンボールでの出来事。
オセアニアに配備されていたカッターでのスイムコール中にサメがクルーたちに接近。

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Photo by U.S. Coast Guard


2-3mもの巨大なサメがクルーに向かっておりサメの監視を行っていたクルーが発泡。

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Photo by U.S. Coast Guard

このようなスイムコール中にサメが接近することは非常に珍しくはありますが、日頃の訓練や想定内の出来事ということもあり、誰一人パニックになることなく危険を回避することができました。


自然の脅威と隣り合わせではありますが、長期にわたる航海生活を送る海軍兵や海兵隊員にとって、最高の入浴タイム、swim call

また海軍では潜水艦でもスイムコールを行っており、そのほか空母のフライトデッキなどで、steel beach picnicと呼ばれるレクリエーションも行われています 。

最大限に楽しむクルーたち

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