Liberty Lifter

エンジン10発!!双頭の巨大水上飛行艇リバティ・リフター

Liberty Lifterプロジェク=ト水上飛行艇と地面効果翼機の両方を能力を持つ大型で長距離飛行が可能な機体を開発


2022年5月18日 / DARPA(国防高等研究計画局)

DARPAは新たな大型水上機「Liberty Lifter」プロジェクトを発表
「リバティリフター」は大型で長距離飛行が可能な水上飛行艇
実験機を作り様々なテストを行うことで、既存の海上輸送よりも能力が優れていることを実証していく計画


Liberty Lifter
Photo by DARPA

長距離飛行に加え、低コスト、高い積載量、船舶より速いスピードを目指しており、現在2社が選ばれ、それぞれ開発を行っています。

水上飛行艇地面効果翼機の両方を能力を併せ持つリバティリフター。

水上飛行艇

水上飛行艇は艇体型の胴体を持ち、水面で離着陸が可能な機体

地面効果翼機

地面効果翼機は水面や地面近くを飛ぶときに翼が受ける揚力が増大する「地面効果」を利用した機体

リバティリフターは航空機レベルの速度で飛行可能で、通常の航空機以上の搭載量を持つことができます。
水面ギリギリの超低空を飛行でき、長い滑走路も不要。

同じようなものではソ連で開発された地面効果翼機 (WIG) エクラノプラン/Ekranoplanがあります。

エクラノプラン
Photo by DARPA

また日本では海上自衛隊が運用している救難に特化した飛行艇、US-2があります。

US-2
photo by U.S. Air Force

課題点

しかしこのような水面ギリギリでの飛行は、荒れた波に弱く、重量も大きくなりやすい上、海上での運用のため塩害によるメンテナンスコストの上昇や、パイロットの訓練など、様々な問題点があります。

liberty lifter
Photo by DARPA

要件

DARPAでは、荒れた海でも飛行でき、かつ高速、低コストを目指しており、1回のミッションにつき数週間、海上で運用可能な機体を考えています。

低空時は水面から約30m未満で飛行でき、最大高度は約3000m積載量は100トン以上を設定

2社のコンセプト

2023 年 2 月、DARPA はメーカーを2社選定し、最初の契約を結びました。

・General Atomics Aeronautical Systems (GA-ASI) ゼネラルアトミクス・エアロノーティカルシステムズ

Liberty Lifter
Photo by DARPA

こちらのプランは、胴体が2つ(双胴型)、エンジンはプロペラ駆動のものが10基、主翼上部に備わっています。

・Aurora Flight Sciences(Boeingの子会社) オーロラ・フライト・サイエンス

Liberty Lifter
Photo by DARPA

こちらのプランでは胴体は一つ(単胴型)となっており、8基のエンジンが搭載、デザインとしては従来の飛行艇に近い形です。

資金

各メーカーはアメリカ国防総省から800万ドル(約10億円)の資金提供を受け、半年以内に最初の設計を完成させる予定です。

フェーズ1

プロジェクトのフェーズ1では航続距離や積載量などについて検証されました。
100t以上を目指しており、これはC-17 グローブマスター IIIと同程度の積載量です。

積載量:100 t 以上

価格:船舶と同程度の低価格

飛行能力:低空飛行 / 30m未満飛行、上昇高度 / 約3050m

航続距離:6,500 海里

その後、実物大のプロトタイプの製作とテストを行い、およそ 5 年以内に飛行テストを行う予定です。

滑走路を必要としない水上離発着が可能な大型・水上飛行艇・地面効果翼機「リバティ・リフター」

レーダーに探知されにくい超低空を高速で飛行でき、離島など沿岸地域での作戦において素早い展開を可能にすることが期待されています。

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